当サイトの使い方

目次

認知行動療法に関して

当サイトは認知行動療法を自分で実施できるようにつくられました。
認知行動療法は様々な精神疾患、特にうつ病、社交不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に有効と言われている心理療法です。
また、医療だけにとどまらず、職場や学校などでも取り入れられています。
認知行動療法は「悩みの元となるその人の感情は自動思考の影響を受け反射的に表面化している。その自動思考の根源がスキーマであり、そのスキーマを無理なく変容させることによって感情が変化する」というものです。
スキーマとは、その人の中核となる「経験や情報を基にした考え方やルールのまとまり」のことです。
人は無意識的に、その考え方やルールのまとまりにもとづいて思考し、言動を決めています。
例えば、交通ルールを守っていない人に対して嫌悪感を抱く人は、「ルールは守るべきだ」というスキーマがあります。
このようにスキーマに反している事実や行動に直面すると自動思考が生まれ、嫌悪感などのマイナスな感情を抱いてしまいます。
認知行動療法では、この感情などを変えるために根本的なスキーマにアプローチします。
但し最初は、スキーマの変化に抵抗が生まれます。スキーマはその人の歴史でもあり、その人のアイデンティティーにとって大切なものだからです。
無意識的な部分なので、考える事自体が自分を否定しているように感じてしまう場合もあります。
そのため、認知行動療法ではその人にあった段階的なアプローチをしていきます。
また、認知行動療法を自分で習得することで、日々の認知が変わり今後の人生も違うものとなって行きます。
尚且つ、自分の思考と感情を考えることによって、人の思考と感情も考えられるようになり対人関係にも良い影響があります。
当サイトでのアプローチとしては下記のようになります。

STEP1
自分の感情を把握する

感情記録ページ
まずは、自分の感情を把握する作業を行います。
最初は自分の感情と向き合う事が難しい事も多くあります。
そこで、まずは自分の感情を書き留めていく作業を行います。
出来事と感情、その時の感情の度合いを表に記入していきます。
記入をする時は出来事を思い出し、どのような感情だったかを振り返ることが大切ですので、ある程度まとめて記入することが良いでしょう。
出来れば、毎日の習慣の中に取り込めると効果的です。
感情記録表では、表にすることによってどのような時に、どのような感情が出ているのかを数値で把握する事ができます。
また、当サイトでは出来事と感情による指数を一覧で閲覧できますので、どの感情が強く出ているのかが一目でわかります。
最初の1~2週間ほどは感情記録表で、自分の感情を把握する作業を行うことが良いでしょう。
感情を記録する一番の目的は、自分の感情を振り返る作業をするということです。
そうすることによって、自分の感情を客観的に分析する練習になります。
認知行動療法の最初の一歩といったところです。
感情の記録はこちら(ご利用には登録が必要です)→感情記録

STEP2
自動思考と感情のバランスをとる

コラム画像
何事も悩みになる感情が出てくるのは、自動思考と感情のバランスが崩れている時に起こります。
悩みになる感情はマイナスの感情です。悲しい、不安、怒りなどです。
認知行動療法では、まず感情が強くなりすぎないように和らげる作業を行います。
なぜかというと、感情が強く出ている時は、思考を変えようとしても考える力が無くなっていて、深く考える事が難しいからです。
対処的な方法ですが、作業をスムーズに行うために、まずはマイナスな感情を減らす作業を行います。
当サイトではコラム表を用いて、出来事、感情、自動思考などを書き留めて行きます。
そして、その時の自動思考に対して「他の見え方が無いか?」を考えていきます。これを反証といいます。
反証を行うことによって、その時は一方向の見え方から発した感情でしたが、複数の見え方からの感情になり、そして最初の感情が薄まります。
また、コラム表は自分の感情と対話する練習でもあります。最初はわからなかったり負担になる事もあります。
ゆっくりと自分のペースで感情や自動思考と向き合う事を心がけてください。
コラム表はこちら→コラム表

STEP3
自動思考からスキーマの発見・修正をする

自動思考と感情のバランスがある程度取れるようになったら、自動思考の元であるスキーマに対して考えて行きます。
まずは自分がどのようなスキーマを持っているのかを掘り下げていきます。
コラム表をやっていると、自動思考に傾向があることが見えてきます。
その自動思考の傾向を多角的に考えていくことで、自分のスキーマを発見出来ます。
そして、スキーマを発見したら、その修正方法を考えて行きます。
新しいスキーマを取り入れたり、行動を変えてみる事もあります。
ここで大切なのは、無理に考えたり、無理に変えたりしないという意識をすることです。
媒介信念や中核信念(思い込みやスキーマ)は無理に変えようとすると感情を傷つけることがあるからです。
結果を重んじるあまり、感情を押さえつけるような自動思考に変えてしまっては意味がありません。
例えば、「本当は言いたいけど我慢するという自動思考」「スキーマ的には引っかかっているのに見なかったことにする自動思考」等にしてしまってはあまり意味がありません。
感情と思考のバランスをとることが第一目的だということを念頭に置く事がスキーマ修正の近道です。
当サイトでは、スキーマの発見と修正をそれぞれ分けて作業を行います。
スキーマをいくつか発見することによって修正段階の作業が明確になりやすいからです。
こちらは登録が必要で、コラム表をある程度実施するとスキーマ発見と修正の作業をできるようになります。

認知行動療法で得られるもの

認知行動療法を行うことによって自動思考と感情のバランスをとることが可能になっていきます。
まずは、自分の感情がどのようになっているのかを考える方法を習得できます。
悩みを持つ人のほとんどが、自分の感情を理論的に解釈できていないものです。
自動思考があまりにも自然に行われているので、感情が何故そうなるのかを考える事が少なかった為です。
そして、認知行動療法で最も大きな成果は、「自分でバランスをとる方法を習得できる」という点です。
自分と向き合い考える事で、その後の人生でも身につけた修正のプロセスを実行していけます。
これは人としての成長でもあり、あらゆる出来事への対処や挑戦をしていけるようになる事に繋がって行きます。
また、自分の認知やスキーマを知ることによって、他人の認知やスキーマも考えられるようになります。
相手のことを共感(ありのまま理解)できるようになると人間関係も円滑になるものです。
認知行動療法のプロセスを習得し、常日頃から認知行動療法的な考えをすることによって、自分や他人の感情が変わっていく事となるでしょう。